Vol.1 「ノン・ストレス」
えつつ(Hwhetsutsu)さん・アーティスト

第1回は、パリでアーティストとして活躍している「えつつ」さん。
キーワードは「ノン・ストレス」です。
えつつ (Hwhetsutsu)・アーティスト

長野県松本市出身。
1999年から本格的に絵を描きはじめる。
2001年1月パリへ。
渡仏後10日ほどで、パリ1区リヴォリ通りにある
「スクワット」と偶然であい
以来、そこでアーティスト活動をしている。

アーティスト活動はいつから?

本格的に毎日絵を描くようになったのは、パリにくる2年前(今から6年前)。

なぜ絵だったの?

絵は好きだったし、クリエイティブなことがしたかった。

小さいときから、絵は好きだった。小学生ぐらいのときは少女漫画家になりたかったの。
でも、自分は絵がヘタだ、背景や身体などがちょっとめんどくさい。
これは違うかなと思って、もっとカンタンなイラストレーターへと変更した。

そのあと、英語の勉強をしてからは、英語関係の仕事をしようかな、とか。
バンドを組んでみたり、映画っぽいものを撮ってみたり
洋服を作ってみたり、写真をやったりと、やりたいことを自分なりにいろいろやってみたけけど、でもなんか違っていた。

その間、絵も描いていたんだけど
なかなか自分の好きなように絵が描けなかった。

それが、パリにくる2年前に気に入った絵が描けたものだから
「絵でやっていこう。ひとつにしぼろう」と決めた。

パリを選んだ理由は?

ずっと前から、外国に住みたいと思ってた。

高校から外国に行きたかったけれど、経済的に無理だった。親からは「高校を卒業したら、あとは好きにしろ」といわれた。
英語の勉強をしていたから、最初は英語圏に行きたいと思っていた。

友達と最初に海外旅行に行ったのが、パリ。

18.19歳のころ流行ってた雑誌「オリーブ」が好きでオリーブ少女だったから、アニエスb.の

ボーダーTシャツをパリで買ったり、流行ってたフレンチポップスを聴いたりフランス映画を見たりしてた。
それで、フランス語の勉強をはじめた。

初のパリ旅行の後も、1年に1回ぐらいのペースでフランスへ来ていた。
8年前に、友達といっしょに、3ヶ月旅行ビザでパリに滞在し、語学学校に通った。そのときに、住む国はほとんど、パリに決めた。

1年間いられるぐらいのお金が貯まったのが、いまから4年前。
知ってる国だし、知ってるひともいる。ちょっとコトバも勉強したし
もうちょっとキチンとしたいなってのもあった。それでパリにした。

スクワットとの出会い

パリにきたのは、2001年1月の終わり。
パリにきて、9日、10日めぐらいに、スクワットを偶然見つけた。
最初、1番上の階にいる、サンディと仲良くなってちょくちょく遊びにきていた。

そのあと、恋人のブルちゃんと知り合った。

最初はすみっこで

最初は、ブルちゃんのアトリエのすみっこで、描きはじめた。コトバも通じないし、ヒマでヒマで、描いているしかなくって、ひたすら描いてた。

その年の秋に、このスペース(いまのアトリエ)にいたひとが出ていっちゃったものだから、ここにいさせてもらうようになった。

スクワットでやっててどう?日本との違いは?

あ〜、もうそれは全然違うよね。
スクワットでしょ〜!

見てくれるひとがいるし、そのおかげで絵を買ってくれるひともいる。
ここでやっているおかげで、ギャラリーのひとたちとも知り合えるし。

見られることで影響を受ける?

あ〜、あるよ。

すごく気にいってくれるひとがいて、そのひとが分析するのね。この絵はこういうので、と意味をつけるの。

わたしは描いてるときは、なにも考えないから
それを聞いて、あぁそうなんだって、そうかもなぁと思う。
興奮してしゃべるひともいる。
そういう風にすごく評価してくれるひとの話を聞いて
もっと頑張って描こうって、モチベーションが上がるの。

ここにいることのデメリットは?

全然ない。ノン・ストレス。

いまどんな絵を描いてるの?

これは、窓シリーズ。
「のぞき」がテーマ。
もともと、のぞきは大好き。

夜景が好きだから、夜景が描けたらいいなと思って
どうやったらいいかなと思いながら

ずっと描けなかった。

たまたま実験で、バックの色をこんな色にしたら
夜っぽくなるかな、と思ってやってみたらうまくいった。

この絵で、初めてマンゲを描く

それまで、マンゲ描くの、ちょっといいかなぁと思って躊躇してた。

最近テリーリチャードソンの写真集を買ったの。そのひとの写真は、ちょっとポルノっぽいエロ写真なのね。でも、面白い。
エロくて、笑えて、ちょっとポップな感じもあって。

その写真集みたら「いいんじゃない」と思って。
「描いちゃえ!」って思って描いたんだ。

そうか、初なんだ

「そう、初マンゲ」

いいじゃん、自由で。

これを見て、泣くひとがいるかもしれないし
すっごい憤慨するひとがいるかもしれないし
笑うひとがいるかもしれないし。
解釈は、ホント、そのひとに任せてるから。

今後の予定は?

1月は2回。ひとつはロンドン。
2月はEXPO。テーマは「風景」。
4月は「マドモアゼル」。ちっちゃいので作ることになっている。
もしかしたら、秋にもなにかあるかもしれない。
ロンドン以外は、すべてパリ。

アジアは?日本での予定は?

いまのところ予定はない。

日本でも見てほしい?

縁があったらね。縁があったら
きっとそうなってくだろうし。

最後に、これからのヴィジョンは?

ずっと絵を描いていきたい。それだけ。

あとは、特にまだなにも浮かんでない。
だって、やることいっぱいあるもん。絵を描くだけで。
〜 2005.1.9〜 
「ずっと絵を描いていきたい。それだけ。」といったえつつさん。
こういえる強さとシンプルさ、しなやかさがいいな、と、録音したMDを聞いて、あらためて思いました。
こういえるのも、きっと彼女が「ノン・ストレス」だからでしょうね。
YUKISS CAFE、これからもいろいろなかたがいらっしゃる予定です。
次回もどうぞお楽しみに。